食道狭窄とは?
食道狭窄とは、何らかの原因で食道の一部が狭くなってしまった状態のことをいいます。
食道狭窄は犬と猫の両方で起こります。
主な症状は吐出(特に固形物)です。
食道狭窄の原因としては重度の食道炎が関与していることが多いです。
雑種猫1ヶ月齢の1例
保護した頃からご飯をすぐに吐き出してしまう
〝吐く〟には2種類あります。
『嘔吐』・・・胃の内容物を吐き出すこと
『吐出』・・・口や食道にある物を吐き出すこと
検査
今回は〝食後すぐに吐く〟〝消化されていないご飯を吐く〟
〝ミルクは吐き出さない〟というヒントから吐出の原因を探す検査を行いました。
レントゲン検査(造影)を行いました

レントゲン検査で『食道狭窄』と診断しました。
追加検査および治療の相談
今後の検査•治療方針として以下を提案しました。
①CT検査にて血管輪異常がないか確認
👉心臓血管の先天性異常で食道の狭窄を引き起こす
②内視鏡検査にて食道狭窄の確認
③内視鏡下で食道バルーン拡張術を実施
相談のうえ②•③を行うことにしましたが、いずれも全身麻酔が必要となります。
全身麻酔に耐えれるように内視鏡の実施を生後3ヶ月に設定して、それまでは流動食+テーブルフィーディング(縦抱っこしながら給餌)でとにかく栄養を付けてもらうように伝えました。
治療 食道バルーン拡張術
検査から1ヶ月後
期待していたほど体重が増えていなかったため、内視鏡(食道バルーン拡張術)を1ヶ月早く行いました。



2ヶ月後に2回目の内視鏡検査+バルーン拡張術を実施しました。


1回目のバルーン拡張術で狭窄部位はかなり拡がっており、今回の施術を最後に治療終了としました。
1回目の施術以降、吐き戻すこもとなくなり、体重も当初の3倍ほど大きくなりました。
食道狭窄に対してバルーン拡張術を実施した場合、5回以上の施術が必要になることもあります。
今回は2回で治療を終了でき、治療の負担を最小限に留めることができました。
これからもすくすくと成長できることを願っています。


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