潜在精巣 症例①

潜在精巣とは精巣が陰嚢内にない状態をいいます。停留精巣、隠睾などとも呼ばれます。精巣は胎児期にはお腹の中にありますが、成長とともに精巣は移動して生後約1〜3ヶ月頃には陰嚢内に降りてきます。しかし、これが通常通り行われず生後半年過ぎても、精巣が陰嚢の中になく、お腹の中や下腹部の皮下に精巣が留まってしまった場合に『潜在精巣』と呼ばれます。

イタリアン・グレーハウンド 雄 1歳の一例です。
『去勢手術を考えているが、飼い始めた頃から睾丸が1つしかない』と来院されました。

陰嚢内には左側の精巣のみある状態で、下腹部の皮下にも精巣は触知できませんでした。

片側の潜在精巣

エコー検査にて腹腔内に精巣を認めました。

エコー検査:腹腔内に精巣を認める

潜在精巣は将来的な腫瘍の発生率が10%以上と高いため、腫瘍を予防する観点からも手術することが勧められます。

飼い主様と以下の点について相談して手術をすることとしました。


①将来的な腫瘍の発生率が高くなる
 精上皮腫:セルトリ細胞腫=約3:7
 セルトリ細胞腫では貧血などの全身症状を呈することがある

②手術の場合には、開腹となり手術の負担は大きくなる
・ 手術(麻酔)時間が長くなる
・手術の傷が2つできる

術後も大きな問題なく、元気に退院できました。

これからも健康に成長できることを願っています。

   
大和市の花岡動物病院
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