犬の肥満細胞腫 症例①

肥満細胞腫は中〜高齢の犬でよく見られる、皮膚にしこりができる病気です。まれに皮膚以外の場所でも発生することがあります。治療は外科手術(場合によっては放射線治療)による局所の治療が中心です。外科手術によって腫瘍が取りきれなかったり、転移のある場合には化学療法(抗がん剤)も検討されます。

フレンチブルドック メス 4歳 の1例です。

『右膝の皮膚に小さなしこりがある。最近よく吐いている』と来院されました。

一見するとちょっとしたカサブタのような1cm大のしこりを認めました。

細胞診(注射針を刺して細胞を顕微鏡で観察)にて『肥満細胞腫』と診断しました。

肥満細胞腫:細胞質内に赤紫色微細顆粒を持つ独立円形細胞
肥満細胞腫:細胞質内に赤紫色微細顆粒を持つ独立円形細胞
肥満細胞腫:ダリエ兆候

血液検査、レントゲン検査、エコー検査では明らかな転移所見を認めなかっため外科手術を行い、病理検査(グレード評価・マージン評価)次第で追加の補助治療を検討することとしました。

病理検査では『肥満細胞腫 グレード2相当』との検査結果でした。
腫瘍の境界部や血管やリンパ管内にも腫瘍性の病変を認めなかったため、外科手術のみで治療を終了としました。

肥満細胞腫 術後
肥満細胞腫 術後10日

肥満細胞腫は腫瘍のステージやグレードによって化学療法(抗がん剤治療)や放射線治療、分子標的薬などの追加治療が必要になることもあります。
今回は転移のない病変のため外科手術のみで治療終了となりました。

飼い主様がこんなに小さいしこりを見逃さずに病院に来てくれたことが、早期の治療に繋がりました。

これからも元気で長生きできますように。

   
大和市の花岡動物病院
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