犬の尿石症 症例①

尿石症(尿路結石)とは、尿路である腎臓(腎盂)、尿管、膀胱または尿道のいずれかに結石が形成される病気です。

結石の大きさは様々ですが、血尿や痛みを引き起こしたり、膀胱炎や腎盂腎炎の原因になります。

また、尿管や尿道に結石がつまることにより、排尿することが出来なくなり、腎不全や膀胱破裂などの命にかかわる病気に発展することもあります




ウェルシュ・コーギー 10歳 未去勢オス の一例です。


『トイレに何度も行くが、オシッコが出ない』『泡状の液体を吐いている』とのことで来院されました。



腹部レントゲン検査では膀胱内結石および前立腺肥大を認めました。

レントゲン検査 膀胱内結石



エコー検査でも膀胱内に結石を認めました。
また、前立腺の腫大および尿道の拡張も認められました。

エコー検査:膀胱内結石
エコー検査:前立腺腫大・尿道拡張






以上の検査結果より『尿石症』『前立腺肥大』を疑い治療を開始しました。

尿道内に結石がつまり、オシッコが出来なくなっている可能性が高いため、カテーテルを通して、つまっている結石を膀胱に押し戻す処置を行いました。
処置後はスムーズにオシッコをすることが出来るようになりました。

「アトム多用途チューブ」の画像検索結果
カテーテルチューブ



現在、犬の尿石症の大半(8〜9割)は『ストルバイト結石』と『シュウ酸カルシウム結石』で占められています。この2つの発生率もほぼ半々です。

今回のケースでは〝レントゲン検査で石が確認できる〟ことから『シュウ酸カルシウム結石』を疑います。

シュウ酸カルシウム結石は内科的治療(食餌治療など)で溶かすことが出来ません。

今回のケースでは、翌日にも同様の症状を繰り返したため、手術に踏み切りました。

膀胱を切開して結石を除去する手術と去勢手術を実施しました。

手術で取り出した膀胱結石(シュウ酸カルシウム結石)




結石分析では、シュウ酸カルシウム94%、リン酸カルシウム6%という結果でした。

シュウ酸カルシウム結石が発症した場合には、手術でさえも根本的な治療ではなく、症状を改善させる治療の1つにすぎません。

今後は食餌管理などで再発のリスクを少しでも下げる治療を継続していくこととなります。


治療費の目安はこちら

〝料金一例〟より『中型犬雑種  膀胱結石•前立腺肥大』を参考にしてください。

   
大和市の花岡動物病院
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