感染症

猫のコロナウイルス感染症 猫伝染性腹膜炎(FIP)と猫腸ウイルス(FECV)感染症

猫 コロナ FIP

猫に病気を起こすコロナウイルスは?

猫に病気を起こすコロナウイルスには

①猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)
②猫腸コロナウイルス(FECV)

の2種類があります。

この2種類の区別は非常に困難で、その違いは〝猫に対する病原性〟のみです。

猫伝染性腹膜炎(FIP)は発症した猫のほとんどが死亡する致死性の高い病気です。

猫腸コロナウイルス(FECV)感染症は比較的軽度の腸炎を起こすのみです。
一般的な腸炎の治療で数日で良くなることがほとんどです。

獣医
獣医
猫腸管コロナウイルス(FECV)が猫の体内で猫伝染性ウイルス(FIPV)に変異するという説があります。

今回は猫伝染性腹膜炎(FIP)について解説していきます。

獣医
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ちなみに、ヒトの新型コロナウイルスと猫腸管コロナウイルス・猫伝染性腹膜炎ウイルスは全くの別物です。
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猫伝染性腹膜炎(FIP)とは?

猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)の感染によるもので、発症した猫のほとんどが死亡する致死性の高い病気です。

腹水や胸水が溜まる〝ウェットタイプ〟と内臓に肉芽腫を作る〝ドライタイプ〟の2つに分けられます。

猫伝染性腹膜炎(FIP)ウイルスの発症は?

かかりやすい猫の例
  • 5歳齢以下または10歳齢以上の猫に多い
  • 純血種の猫
  • 多頭飼い
  • 猫の飼育所からの購入
  • 猫白血病ウイルス(FIV)に感染している
  • 何らかのストレスを抱えて生活している

猫伝染性腹膜炎(FIP)ウイルスの原因は?

  • 猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)の感染
  • 猫腸コロナウイルス(FECV)が猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)に突然変異すると考えられてる。
  • その突然変異を起こす原因はよく分かっていない。
獣医
獣医
猫からヒト、ヒトから猫への感染はありません。
ウイルスの種類ごとに感染する動物が決まっています。

猫伝染性腹膜炎(FIP)ウイルスの症状は?

  • 発熱
  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 体重減少
  • 可視粘膜(歯茎など)が白い、または黄色(黄疸)
  • お腹の膨らみ(腹水貯留に伴う腹部膨満)
  • 呼吸が苦しそう
  • 目の異常(ぶどう膜炎・脈絡膜炎)
  • 神経症状
    👉意識レベルの低下
    (じっとして動かない・ボーッとしている など
    👉発作
    👉眼振
    👉性格の変化
    👉歩様異常(ふらつき・四肢の麻痺 など
獣医
獣医
症状は本当に様々です。
1歳未満での発症では進行が早く、神経症状を表す場合が多いです。

猫伝染性腹膜炎(FIP)の診断は?

  • 血液検査
    👉TP(総蛋白)の増加
    👉SAA(炎症の数値)の増加 
    👉抗体価の測定

    👉遺伝子検査
  • 胸水・腹水の検査
    👉性状(滲出液)
    👉抗体価の測定
    👉遺伝子検査
  • 脳脊髄液検査
    👉抗体価測定
    👉遺伝子検査
獣医
獣医
いずれの検査も猫伝染性腹膜ウイルス(FIPV)と猫腸コロナウイルス(FECV)の区別が出来ないため、病気の確定が出来ません。

症状と合わせて『猫伝染性腹膜炎(FIP)の可能性が高い』と診断することほとんどです。

獣医
獣医
胸水や腹水の遺伝子検査で猫コロナウイルスを検出出来れば、猫伝染性腹膜炎(FIP)の可能性が高いです。

猫腸コロナウイルス(FECV)は消化管でしか悪さをしないからです。

  • 病変組織を採取できれば猫伝染性腹膜炎(FIP)と確定することが出来ます。
  • しかし、麻酔の必要性・病変組織の場所などの制約があり、これを実施することはとても難しいです。

猫伝染性腹膜炎(FIP)の治療は?

  • 残念ながら完治させる治療法は見つかっていません。
  • 症状の進行を緩やかにしたり、延命を目的とした治療になります。
  • 抗炎症治療
    👉ステロイド薬
    👉血小板機能抑制薬(オザクレル塩酸塩水和物)
    👉フロセミド(利尿薬)
  • インターフェロン治療

猫伝染性腹膜炎(FIP)の治療のみとおしは?

  • 全身症状を示す猫のほとんどが、診断されて数日〜数ヶ月で死亡します。
  • 特にウエットタイプ(胸水・腹水)は余命が短い傾向にあります。
  • ドライタイプの余命は、治療への反応にもよって様々です。
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